鷹島1号沈没船
鷹島沖伊万里湾で、740年前の元の軍船が発見されました。
発見したのは、平成23年9月30日から10月23日まで鷹島海底遺跡を調査していた琉球大学池田榮史教授(現・國學院大學教授)らの研究グループ。鷹島町神崎免米ノ内鼻の沖合い約200メートル、水深23メートルから25メートルの海底を約1メートル掘り下げたところからこの軍船を発見しました。
これまで鷹島南岸では、元軍殲滅の地として船の部材や椗・碇石など船舶に関する遺物、「てつはう」や鉄製冑などの武器・武具などは出土していましたが、船の船体そのものは発見されていませんでした。
軍船の様相は、『蒙古襲来絵詞』で知ることができますが、その実物が海底に実在したことは、世界史的にも大変貴重な発見です。
今回見つかったのは、船底の背骨にあたる竜骨(キール)と呼ばれる部分と、その周辺に整然と並んだ外板。確認できた竜骨の大きさは、幅約50センチメートル、長さ約12メートルで、想定される船の長さは20メートル級と見られています。
また、船材の上部からは中国製の陶磁器や「てつはう」の破片、磚(レンガ)なども多数発見されています。
2024年10月現在で、元軍沈没船は3隻見つかっており、最初に発見したこの沈没船を「鷹島1号沈没船」と呼んでいます。
竜骨(キール)
遺物の出土状況
更新日:2024年12月11日