宛陵寺古文書(えんりょうじこもんじょ)

市指定有形文化財・古文書 平成21年9月30日指定

宛陵寺古文書の画像

 曹洞宗海晏山宛陵寺には、紛失のおそれをなくすために1巻にまとめられた古文書がある。
 最も古い文書は明徳元年(1390)松浦丹後守十一代源延公から時の住職の大圭和尚にあてた領地の寄進状である。同じく応永12年(1405)2通、応永13年(1406)1通、応永14年(1407)2通、さらに十二代源進公からの寄進状として応永24年(1417)1通、応永31年(1424)2通、応永34年(1427)1通。また、十六代源親公の文書2通、文明元年(1469)1通、天文13年(1544)1通のほかに江戸時代の文書6通の計20通があり、最後に松浦家の系図と合わせて1巻にまとめられている。
 宛陵寺の開山については、源久公の菩提寺として創建されたものであるが、久公の死後、久寿元年(1154)早々に建てられたものではないと思われる。宛陵寺過去帳によると、応永13年(1406)丹後守源延公が佐賀玉林寺より大圭和尚をまねいて開山したとあるが、明徳元年の文書からすれば、応永13年より以前の明徳元年にはすでに開山していたものと思われ、過去帳よりも古く、宛陵寺開山の手がかりになるものである。源久公が没してから開山の大圭和尚の時代まで約230数年の空白があるため、何らかの形で寺院か廟所として存在していたのではないだろうか。
 宛陵寺古文書は、今福松浦家が松浦地方における有力な御家人であったことを裏付ける史料である。
 室町時代から江戸時代にかけての文書は市内の中世~近世を知る上で貴重なものである。

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更新日:2019年04月01日