王嶋神社の石壺・石板(おうしまじんじゃのいしつぼ・せきばん)
市指定有形文化財・工芸品 平成21年9月30日指定
志佐町庄野の氏神である王嶋神社には、滑石製石壺2個、石板2枚がある。神社の伝説によると、毎年壱岐より当神社に来て、前年にこの壺で醸した酒を神に供え、また、帰るときにこの壺で酒を醸して帰ったと伝えられている。
石壺のうち1点には、器の外面に墨書で文字(経文?、判読が難しい)が書かれていることから、経壺として作られたものと思われる。
経壺は、平安時代の末に起こった末法思想の広がりを背景に、仏教の衰退を恐れた貴族や僧侶が法華経などの経巻を仏具類とともに経筒に入れて地中に埋蔵したもので、この遺構が経塚である。王嶋神社の石壺は、いつの時か経塚から掘り出され、その後に酒壺として使用したものと思われる。
当時の松浦地方に経塚を営むことができる有力者がいたことを裏付ける資料として重要である。
現在は、調川小学校に保管・展示されている。
更新日:2019年04月01日